記念金貨の価値とは?どうやって決まるのか詳しく解説

投稿日:2021年7月17日 更新日:2021年09月30日

記念金貨の価値とは?

質乃蔵(しちのくら)の児玉です。

断捨離流行りの昨今では、自宅を片付けていたところクローゼットから記念金貨が見つかった、という人もいるかもしれません。そうすると気になるのは、記念金貨の価値ではないでしょうか?

今回は、手元で眠っている金貨がいくらぐらいの価値を持つのか、どの方法で売るのがお得か、といったことなどについて詳しく解説します。

記念貨幣とは?

まず、日本で発行される「記念貨幣」について解説します。

通常使われる通常貨幣とは別に発行される「記念貨幣」は、国を挙げての特別な行事を祝して製造されるものです。

記念貨幣には金貨と銀貨がありますが、特に記念金貨は大変な人気を集めます。

記念貨幣が通常貨幣と異なるのは、素材に金を使用して製造される点。そのため、額面以上の費用が貨幣の製造にかかるプレミアム型の記念貨幣ということになるのです。

たとえば「郵便制度150周年記念貨幣」の「1万円金貨幣」は素材の品位は純金、15.6gの重さです。額面は1万円ですが、販売価格は税込で145,000円。今後、年数がたってプレミアがつけば、より価値が上がる可能性もあります。

販売・申し込みは、独立行政法人造幣局のサイトからで、発行数を上回る申し込みがあった場合は抽選となります。ちなみに「郵便制度150周年記念貨幣」の「1万円金貨幣」の発行数は2万枚で、当選倍率は11.44倍だったそうです。

記念貨幣を求める人には、純粋に記念として持っておきたいという人から、将来の売買も視野に入れたコレクターまでさまざまです。

海外では記念貨幣の紙幣も存在しますが、日本では硬貨のみです。

記念金貨の価値についての考え方

記念金貨の価値

記念貨幣には金貨の他に銀貨もありますが、現在の通常貨幣には使われない素材の金で作られた記念金貨は、見た目の華やかさもあいまってその存在感は群を抜いています。

記念金貨がそれ以外の硬貨と異なる点は、主に以下の3点です。

 

  • 特別な行事や祝い事が行われる時限定で発行
  • 素材は金
  • 枚数限定

 

記念金貨の発行理由は、国民的行事を祝う記念としての側面が主ですが、実はイベントの運営費を調達する目的もあるのです。たとえば、1964年に発行された東京オリンピックの記念金貨の売り上げは、オリンピックの運営費に使われています。

通貨として使われることのまずない記念金貨は、コレクターアイテムとして高い価値を持ちます。記念金貨はディスプレイできるケースとセットになっていることが多く、買取の場合にケースがあるとないとでは買取価格が変わってくるほどです。

金(ゴールド)の価値

記念金貨の素材は金でしかも純金であるものがほとんどです。

古代より多くの人々から愛されてきた金には、他の貴金属にはない魅力があります。黄金の輝きに魅了された人々が金をめぐって戦いを繰り広げた時代もありました。

金は酸化や腐食に強いと同時に、柔らかく熱に弱い性質を持っています。これは、たとえ傷つけられたり溶かされたりしても、金としての価値は損なわれないことを意味します。

また、希少性の点でも金は優れています。地中に残された金の埋没量は、今までに人類が採掘してきた金の量の3分の1以下といわれており、今後もさらに希少性は増すでしょう。

金は1gあたりの価格が毎日変動します。現在は1gでおよそ7,000円弱(2021年7月7日現在)という高値が続いており、純度が高ければ高いほど金の価値は増大。記念金貨の多くは純金でできているため、金としての一級の価値を持つということになるというわけです。

金相場はドル為替の影響も受けるので、その点は注意が必要です。ただし、金相場が高騰している状況を考慮すると、記念金貨を含めた金の売り時は今まさに旬ともいえます。

金とプラチナ相場は、現在高騰しています。日々変動する貴金属買取相場について、分かりやすくグラフと数字で掲載してます。1gあたりの買取価格ですので、詳しい情報を知りたい方は、ご覧ください。
>>「金・プラチナ買取価格」についてはこちら

 

コレクターアイテムとしての希少価値

記念金貨の特徴としてもうひとつ挙げられるのは、コレクターアイテムとしての価値という側面です。

記念金貨には、発行されるのは国家的な行事があったときのみ、発行枚数は限られているなど、稀少価値の上がる要素が少なくありません。

発行時の当選倍率が高かったものは、その後年数がたつとさらに買取価格が上がる可能性があります。さらに、付属品のケースなどの有無も買取価格に影響しますから、コインの同様大切に保管しておきましょう。

記念金貨の種類

記念金貨は世界の多くの国で発行されています。海外の記念金貨のなかには、日本のキャラクターや偉人にフィーチャーしたコインを日本で限定もしくは先行販売するものもあります。

コインコレクターならずとも魅了される国内外の記念金貨にはどんなものがあるのか、見ていきましょう。

日本の記念金貨

天皇陛下御在位60年を記念した10万円金貨

日本初の記念金貨は昭和62年に天皇陛下御在位60年を記念した金貨です。10万円と1万円の2種類の金貨が発行されています。

1964年の東京オリンピックの際は記念銀貨のみの発行でしたが、東京2020オリンピックでは銀貨やバイカラー・クラッド貨幣と並んで金貨も発行されました(すでに抽選は終了)。

オリンピックや万博など国を挙げて行われるイベントや国の祝い事を記念して販売される金貨の発行枚数は限られています。非常に人気で抽選に当選しないと買えないものも多くあるため、コインの希少価値を高めているのです。

「東京2020パラリンピック競技大会記念一万円金貨幣」は4万個の発行枚数に対し、当選倍率は7.12倍でした。

日本の記念金貨は補助貨幣とみなされており、通常硬貨と同様の使い方もできます。しかし、素材の金としての価値・コレクターアイテムとしての希少性を考えると、これはあまり現実的な使い方とは言えません。

海外の記念金貨

パンダコイン

海外の記念金貨は大きく分けて2つに分けられます。アンティークコインと投資用の地金コインです。

海外も日本同様、記念金貨は国家イベントを祝して発行されるもので、古ければ古いほど稀少価値が増します。

世界初の記念コインが生まれたのはローマ帝国時代だったといいます。勝利を記念し、英雄の姿が刻まれたコインです。

そこまで古くなくても、年代物のコインは保存状態がよければ今でも高値で売ることが期待できます。
たとえば、オーストリアの1908年銘「100コロナ金貨 雲上の女神」は、250万円を超える高値をつける買取店もあるほどです。

また変わったところでは、日本限定もしくは先行販売される日本のコレクターを意識した記念コインがあります。

一例を挙げると、ソロモン諸島発行の「仮面ライダー生誕50周年記念コイン2分の1oz金貨」があります。これは日本限定発行です。他にも、フランスの「世界の美術館 傑作記念コイン」は、葛飾北斎の生誕260年を記念して発行されました。コインには、北斎と彼の影響を受けた西洋の偉大な画家たちのマスターピースが精巧に刻まれています。

投資用の地金コインとしての記念金貨は、有名どころだとカナダの「メープルリーフ金貨」が人気です。また、毎年発行される中国の「パンダ金貨」も額面以上の高値で取引されることの多いコインとなっています。

「パンダ金貨」は発行年度によって発行枚数が大きく異なること、表面のパンダのデザインは毎回変わることなどが、コレクターアイテムとしての価値を持たせています。

海外の記念金貨は種類もさまざまで、素人では価値を正しく知ることが難しいアイテムです。売るなら、きちんした査定士のいる買取店に査定に出すといいでしょう。

オリンピックの金メダルの素材は?値段はどれぐらいするの?について、詳しく解説しています。
>>【衝撃】オリンピックの金メダル素材は?実は純金ではない!

 

日本の法律で硬貨を潰したらダメ

数年前、手品愛好家がギミック(仕掛け)コインを製造した罪で逮捕された事件がありました。手品愛好家は手品で使うため、硬貨に穴を開けたり半分に割ったりして加工したものをネットオークションなどで販売していたというのです。

実は、このように日本では硬貨に穴を開けたり加工をほどこしたりすることは法律で罰せられます。

素材の金としての価値がある記念金貨も同様であり、金貨を溶かして金に戻し、別のものに加工するのはNGなのです。

これは、日本ではあくまでも記念金貨は硬貨という扱いなので「たとえ純金であろうがお金はお金」という考えがもとにあるからです。

記念金貨は「貨幣損傷等取締法」で捕まることも

記念金貨は「貨幣損傷等取締法」の対象です。

財務省のホームページには「貨幣(硬貨)を故意に損傷したり鋳つぶしたりすることは違法であり、硬貨に穴を開ける行為も同様」とあります。

「鋳つぶす」とは耳慣れない言葉ですが、金属を溶かして地金にすることです。違反者は1年以下の懲役、もしくは20万円以下の罰金に処せられます。

この法律は海外では適用されないため、金買取業者のなかには買い取った金を海外に輸出するケースもあります。

ちなみに、紙幣の場合は特には罰せられません。しかし、紙幣に落書きをしたりするとトラブルや混乱の原因になりかねません。国立印刷局のホームページには「お札はみんなで使うものですから大切に使ってください」とあります。

 

貨幣(硬貨)を故意に損傷したり鋳つぶしたりすると、貨幣損傷等取締法により罰せられることとなります。当然、硬貨に穴を開ける行為も同じです。貨幣は、国民の皆様の生活の中で取引などが円滑に行われるよう、製造されているものですので、大切に使用して下さい。
引用元:財務省

 

記念金貨を売るなら買取店へ

記念金貨の売却を考えたとき、迷うのはその方法ではないでしょうか。

売買歴が浅いコレクターは、つい安易に売却先を決めてしまいがちです。ですが、売却先が違えば売値もかなり違ってきますから、ここは慎重に決めたいところ。

売却先にはいろいろ選択肢があります。
大きく分けると銀行と買取店に分かれますが、結論からいうと金貨の売却は断然買取店に軍配が上がります。その理由は後述します。

さらに、買取店にもいろいろな種類があります。ざっと挙げてみましょう。

 

  • リサイクルショップ
  • 金券ショップ
  • コイン専門買取店
  • 質屋

 

コイン専門店でも古銭が得意な買取店や金貨に特化した買取店もありますから迷ってしまいます。迷ったときは、複数の買取店の査定額を比較するといいでしょう。査定は無料のところがほとんどです。

価値が高くない場合は銀行で「両替」

銀行で「両替」

記念金貨が純金の場合、銀行に売却するのはおすすめできません。ちなみに銀行でできるのは、正確には売却ではなく「両替」です。

銀行や金融機関では記念金貨を貨幣としての価値という観点からしか見ません。素材としての価値や希少性、またコインの状態は、額面金額には関係ないからです。

そのため、コインの額面が「一万円」ならその額面通りの価値でしか両替してくれないのです。

それでも銀行で両替した方がいい場合もないわけではありません。それは、コインとしての価値が高くない場合です。

たとえボロボロであっても一万円札であれば、銀行は貨幣としてみなします。逆に記念金貨の場合、状態があまりにひどいと、買取店の査定に響くことがあります。

ですから、「コインとしての価値が高くない場合」には、銀行で両替してもらうのが最良です。

金貨の価値が高い場合は「買取」がおすすめ

逆にコインとしての価値が高い場合は買取店がおすすめです。特に金貨は素材としての価値に加え、枚数が限られているため希少性の高いものも多いため、ほとんどの買取店で額面以上の金額で買い取ってくれます。

最近、街を歩いていてやたらと「金・プラチナ、お売りください!」といった看板を目にしたこともあるのではないでしょうか。それだけ多くの買取店が世の中には存在しているということです。

買取店を選ぶときの条件としては、以下の点が挙げられます。

 

  • 査定歴の長い査定士がいる(※査定歴5年以上の人)
  • 適正な価格を提示してくれる専門の査定士がいる
  • お客様の目の前で査定してくれる

 

査定士でさらにコインに精通している人がいれば、よりよいでしょう。

査定額はウェブでもだいたいの額はわかりますが、確実に選びたいなら直接査定してもらうのが一番です。買取店によっては無料で出張査定をしてくれるところもあります。

必ず複数の買取店で査定してもらった上で、売却先を判断するようにしましょう。

金やプラチナといった貴金属を売却しようとお考えの方は、お客様の目の前で安心査定の「質乃蔵(しちのくら)」をご利用ください。その日の相場に合わせて買取査定いたします。
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まとめ

記念金貨は素材の金の価値に加えて、コレクターアイテムとしての希少価値もあるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

売却を考えるのなら、金相場をチェックするのはもちろんですが、良心的な買取店を見つけることが一番です。特に今は金は売り時ですから、焦らず落ち着いて探してみてくださいね。

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