熊本市東区の質屋 質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
金は、価値ある資産として取引され、投資や資産保全の目的で購入されることが多い貴金属です。金の重量を表す単位として「オンス(トロイオンス)」という単位を聞いたことがある人は多いでしょう。
しかし、「金1オンスは実際何グラム?」と気になっている人もいるはず。
本記事では、金の重量単位であるトロイオンスの意味や、金1オンスの重さを詳しく解説します。投資用として人気の高い金貨の種類や特徴も紹介しているので、金投資や金の購入を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
金の重量は一般的に「トロイオンス(troy ounce)」という単位で表されます。通常のオンス(常用オンス、avoirdupois ounce)とは異なり、貴金属の取引で使用される、特別な単位です。
トロイオンスが用いられる理由は、金や銀などの貴金属市場が長年にわたって国際基準を維持するため。トロイオンスの採用により、各国で統一された取引が可能になり、価格の透明性が保たれています。
トロイオンスは、12世紀のフランス・トロワ地方で使用されていた単位が由来です。
現在も国際的な金市場では「1トロイオンスの金価格」が基準として用いられています。投資や資産保全目的で金を購入する際は、トロイオンス単位で取引されることが一般的です。
トロイオンスと常衡オンスを混同すると、金の重量を誤って計算してしまう可能性があるので注意しましょう。とくに海外の情報を参照する際は、記載されている単位を確認しましょう。
金の重量をオンス(トロイオンス)で表すと聞くものの、実際にはどのくらいの重さなのかわからないという人は多いでしょう。
金1オンスの重さの値が定められている理由は、貴金属取引における統一基準が必要であるため。国際市場で価格が共通であることにより、金の価値が正確に比較でき、公平な取引が可能になります。
例えば、ロンドン金市場(LBMA)やニューヨーク商品取引所(COMEX)では、重さの基準に基づいて金の価格が決定されます。金を売買する際には、重量基準を理解しておく必要があるでしょう。
実際に金1オンスがどのくらいの重さなのか、詳しく解説します。
金1オンス(トロイオンス)は、約31.1035グラムです。正確には31.1034768グラムですが、1オンスは31.1gで計算するケースも少なくありません。
金の価格は通常、1トロイオンスあたりのドル価格で表されます。グラム単位の金価格を知りたい場合は、1オンスの価格を31.1035で割れば算出できます。
例えば、金1オンスの市場価格が2,000ドルの場合、1グラムあたりの価格は約64.3ドルです。とくに投資判断の際に活用する計算方式なので、覚えておきましょう。
金の取引に慣れていない方は、トロイオンスとグラムの換算を事前に確認してくださいね。
なお、一般の計量器では31.1035gまで細かく計測するのは難しいもの。正確な重量を知るには、専門の計測機器を使用する必要があります。
金貨の重量別にグラムに換算すると、以下のとおりです。
金貨の重量(オンス) | グラム換算 |
1オンス | 約31.1g |
1/2オンス | 約15.5g |
1/4オンス | 約7.7g |
1/10オンス | 約3.1g |
1/20オンス | 約1.5g |
1/25オンス | 約1.2g |
取引や価格比較をスムーズに行うために参考にしてくださいね。
金貨のサイズは一般的にオンス(トロイオンス)で表記され、1オンス金貨を基準にさまざまなサイズが発行されています。
金貨は国際的な投資商品として取引されるため、重量を統一しなければいけません。
トロイオンス(1オンス=約31.1g)は貴金属取引で標準的な単位として使われているもの。金貨の重さもトロイオンスに準じて分類されるので、1オンス金貨を基準に1/2オンス、1/4オンスなどのサイズの金貨が流通しています。
ただし、金貨は純度が異なるものも存在するので要注意。純金(24K)の金貨であれば、金貨の重量=金の含有量となりますが、22Kなどの場合はほかの金属が含まれています。
購入や投資を検討する際は、重量だけでなく純度も確認してくださいね。
世界にはさまざまな種類の金貨が存在し、多くは投資目的で購入されています。投資向けに発行される金貨は、地金型金貨と呼ばれます。
地金型金貨は各国の造幣局によって発行され、政府が金の重量や純度を保証しており、高い信頼性を誇ります。
安全な資産として人気があり、多くの投資家に選ばれていり地金型金貨の種類をチェックしておきましょう。
メイプルリーフ金貨は、カナダ王室造幣局が発行する世界で最も人気のある金貨のひとつです。
純度99.99%(24K)の高純度金貨として知られ、投資家やコレクターに広く支持されています。
人気の理由は、高い純度と国際的な信用度の高さにあります。1979年にはじめて発行されて以来、金貨市場において確固たる地位を築いてきました。さらに、造幣技術の進化により、偽造防止のための特殊なセキュリティデザインも施されています。
2013年以降のメイプルリーフ金貨には、微細なレーザーマークが刻印され、偽造を防止する仕組みが導入されました。金の安全な投資先として、多くの投資家に選ばれています。
ただし、純度が高いため傷がつきやすく、取り扱いには慎重さが求められます。
オーストラリア造幣局が発行し、表面のカンガルーのデザインが毎年変わるのが特徴の金貨です。
オーストラリア・パース造幣局が発行する純金金貨で、裏面にはエリザベス2世の肖像が描かれています。
金貨の魅力は、デザインの多様性と純度99.99%(24K)の高品質です。1986年に発行された当初は「ナゲット金貨」として知られていましたが、1989年にカンガルーのデザインに変更されました。以来、世界中のコレクターや投資家に愛されています。
毎年異なるデザインが採用されるため、シリーズごとに異なる価値を持つことも。コレクションとしての楽しみもあります。また、パース造幣局の品質保証により、国際的な市場でも信頼性が高い金貨のひとつです。
発行年によってデザインが異なるため、特定の年の金貨を探す場合は、市場の動向をよく確認する必要があります。
オーストリア造幣局が発行するヨーロッパを代表する金貨です。
純度99.99%(24K)の高純度金で作られており、「ハーモニー金貨」とも呼ばれています。
特徴は、クラシック音楽をテーマにした美しいデザインです。裏面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽器が描かれ、表面にはウィーン楽友協会のパイプオルガンが刻印されています。芸術性の高さから、投資目的だけでなく、コレクションとしても人気があります。
ウィーン金貨は1989年に発行され、ヨーロッパ市場を中心に広がりました。ユーロ建てで取引されるため、ユーロ圏の投資家にとっては為替リスクを抑えやすいのも魅力のひとつです。
アメリカ市場では、イーグル金貨やバッファロー金貨などと比べて流通量が少ないので注意しましょう。売却時には、市場価格をよく確認する必要があります。
アメリカ初の純金金貨として2006年に登場し、アメリカ合衆国造幣局が発行する純度99.99%(24K)の金貨です。
デザインは、1913年発行の「バッファローニッケル(インディアンヘッド・ニッケル)」を基にしています。表面にはネイティブ・アメリカンの肖像が、裏面にはアメリカン・バイソン(バッファロー)が描かれています。歴史的なデザインと、純金の価値の高さが魅力です。
バッファロー金貨はアメリカ国内のみならず、国際市場でも高い人気を誇ります。とくに、純金投資を目的とした投資家にとって、安全な資産として評価されています。
ただし、純金製で柔らかいため、傷がつきやすい点には注意が必要です。取り扱いの際は、専用ケースに入れて保管するとよいでしょう。
アメリカ合衆国造幣局が1986年に発行を開始した金貨で、純度91.67%(22K)の金を使用しています。
デザインには、表面に自由の女神像、裏面に飛翔する鷲が描かれています。
特徴は、22Kの合金による耐久性の高さと、アメリカ政府の保証による信頼性です。
イーグル金貨は投資家向けに流通量が多く、売却時にも市場価格での取引がしやすいのもポイント。また、合金により強度が高く、傷がつきにくいので長期投資に向いています。
ただし、純度が24Kではないため、他の純金金貨と比較すると若干の価格差が生じることがあります。
クルーガーランド金貨は、南アフリカ造幣局が1967年に発行した世界初の投資用金貨です。
表面には南アフリカの元大統領ポール・クルーガーの肖像が、裏面にはスプリングボックが描かれています。
特徴は、純度91.67%(22K)で耐久性に優れている点です。
クルーガーランド金貨は長年にわたり、世界中で投資対象として取引されてきました。発行量が多く流通性が高いうえに、とくにアフリカ地域やヨーロッパ市場で人気があります。
22Kのため赤みがかった色合いをしており、純金金貨と見た目が異なります。購入時には素材の特性を理解しておきましょう。
イギリス王立造幣局が発行する純度99.99%(24K)の金貨。
イギリスを象徴するブリタニア女神が描かれた、美しいデザインが特徴です。投資用としてだけでなく、コレクターにも人気があります。
ブリタニア金貨は1987年に発行され、ヨーロッパ市場を中心に流通しています。
発行年によって図柄が微妙に異なるため、購入前に仕様を確認しましょう。
パンダ金貨は、中国造幣公司が発行する純度99.99%(24K)の金貨です。毎年異なるデザインが採用されています。
中国の象徴であるパンダが描かれており、コレクション性の高さから世界中の投資家に人気があります。
1982年に初めて発行され、現在ではさまざまなサイズで展開されています。
市場によってプレミア価格がつくことがあるため、購入前に相場を確認するとよいでしょう。
金1オンスは31.1035グラムであり、貴金属市場ではトロイオンス表記が基準です。
投資や資産保全を目的に金貨を購入する際は、オンスとグラムの換算を理解し、目的に合った金貨を選びましょう。また、トロイオンスと通常のオンスを混同しないよう、注意が必要です。
金の価格は変動するため、購入前には市場価格をチェックし、信頼できる販売元から入手するよう心がけましょう。金貨のサイズや重量は種類によって価値やデザイン、特徴が異なる点にも注意してくださいね。
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