熊本市東区の質屋 質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
パールネックレスを探しているときに「アコヤ真珠」「本真珠」などの言葉を目にする機会が増えるもの。それぞれどのように異なるのか、気になる人も多いでしょう。
本記事では、アコヤ真珠と本真珠の違いを解説します。アコヤ真珠の特徴、本真珠の種類、本物と偽物の見分け方も紹介するので、真珠アクセサリーの購入を検討している人はぜひチェックしてくださいね。
目次
本真珠とは、天然または養殖によって貝から生まれた真珠すべてを指す名称です。偶然に貝から見つかる天然真珠も、人の手で養殖された真珠も、どちらも本物であれば本真珠と呼ばれます。
ガラスやプラスチックで人工的に作られたイミテーションパール(模造真珠)と区別するための呼び方です。養殖であっても、本真珠に分類されます。
なお、天然本真珠と養殖本真珠は異なるものです。天然真珠は人の手を介さず偶然に生まれた真珠で、非常に稀少なもの。一方、養殖真珠は核(真珠のもと)を貝に入れて人為的に作ったもので、現在流通している大半が該当します。
アコヤ真珠とは、アコヤ貝という海水の二枚貝から採れる、日本を代表する本真珠です。日本産のアコヤ真珠はその品質と美しさで世界中に知られており、「和珠(わじゅ)」とも呼ばれて高い評価を受けています。
一般的なサイズは直径6〜8mm前後で、大きくても10mm程度です。色はホワイト系が主流で、ほのかにピンクやクリーム色がかった上品な光沢が魅力。日本では冠婚葬祭など正式な場面で、白いアコヤ真珠のネックレスが定番として用いられています。
核入りの海水養殖であるため、なめらかな光沢を生む真珠層は比較的薄めです。一方で、鏡のように鋭いテリが出やすいといわれています。なお、アコヤ真珠は本真珠の代表格であるため、「本真珠=アコヤ真珠」といわれることも少なくありません。
アコヤ真珠を選ぶ際は、品質の差に注意しましょう。低価格のものでは真珠層が薄く耐久性に劣る場合があり、使っていくうちに輝きが損なわれたり、核が透けて見えたりしてしまう恐れがあります。
信頼できる店舗で、テリや巻きの評価がしっかりしたものを選び、場合によっては鑑別書付きの花珠クラスなどを候補に入れてくださいね。
アコヤ真珠は本真珠の一種です。したがって「違い」と言っても、本真珠のなかの特定の種類がアコヤ真珠である、といえます。
ただし、アコヤ真珠はほかの本真珠の種類と比べてサイズ・形や品質・価格の面で特徴があるため、ここでは違いを解説します。
アコヤ真珠はサイズが小ぶりで、形が丸いものが多い点が特徴です。一方、南洋真珠や淡水真珠などほかの本真珠は、より大粒のものや個性的な形のものが多く見られます。
アコヤ貝自体は、それほど大きくありません。そのため、育つ真珠も直径約3mm〜最大でも10mm程度と中粒までに留まります。養殖過程でも円形の核を用いるため、アコヤ真珠は真円または真円に近い形になりやすいといえます。
対して、南洋白蝶貝や黒蝶貝はサイズが大きく、真珠も10mmを超える大粒に育つことが多いです。また淡水真珠は核を入れない養殖法で、貝の中で自由な形に成長するため、楕円や半円、バロックなど多彩な形状が生まれます。
真珠のサイズ・形は見た目の印象や使い勝手にも影響します。アコヤ真珠のように小ぶりで丸い珠は上品でフォーマルな印象を与え、ネックレスにした際も首に馴染みやすいでしょう。
大粒の南洋真珠は一粒でも存在感があり、ペンダントトップなどに向いています。ただし大きくなるほど重量も増しますので、ネックレスに多数使うと重く感じることも。ユニークな形状はカジュアルなデザインや個性的なアクセサリーに好まれます。
アコヤ真珠は真珠層の輝きの強さで知られています。一方で、南洋真珠は厚い真珠層による柔らかな光沢が特徴です。淡水真珠は近年品質が向上してきているものの、比較的ソフトな風合いが多め。本真珠でも種類によって品質は異なるため、一概にどれが上というよりも、輝きの質が違うといえます。
真珠の品質を左右するうえでポイントになるのは、光沢(テリ)・色合い・キズの多少・巻き(真珠層の厚み)などです。
アコヤ真珠は核周囲に形成される真珠層は薄めですが、均質で細かいため強い光沢を放ちます。南洋真珠は真珠層が数ミリと非常に厚く、光沢は柔らかく上品です。見る角度によっては、ややシルキーな輝きを堪能できます。淡水真珠は無核で真珠層が厚くテリが弱かったものの、養殖技術の向上でテリや形の優れたものも増えてきました。
色調やキズの有無も考慮しましょう。例えば、アコヤ真珠や南洋真珠のなかでも黄色味が強いものは評価が下がる傾向が。一方で、南洋真珠で濃いゴールド色のものは「ゴールドパール」として珍重され、価値が高くなることもあります。種類ごとに「美しい」とされる基準が多少異なる点にも注意が必要です。
品質を数値や証明で確認したい場合、鑑別書を取得しておきましょう。高価な真珠を購入する際は、信頼できる鑑別機関の評価書が付属しているか確認すると安心です。
同サイズで比較すると、淡水真珠<南洋真珠<アコヤ真珠の順で、高額であることが一般的。価格差が生まれるおもな理由は、真珠の供給量の違いと市場での人気です。
淡水真珠は一つの貝から多数の真珠が採れるため、大量生産が可能で比較的安価です。南洋真珠(白蝶・黒蝶)は大粒で養殖期間も長く、産地も限定されるため供給量が少なく高価になりがち。
アコヤ真珠は標準的なサイズでも、価格が高めに設定されます。日本産が中心で品質管理も厳しく行われており、需要が世界的に高いことが理由です。とくにアコヤ真珠で大粒(9〜10mm級)のものは希少であるため、同じサイズの他種の真珠より高額になる傾向があります。
ただし品質による差も大きく、一概に種類だけで優劣は決まりません。相場とかけ離れて安いパール製品は、コットンパールなどの模造品が混ざっている可能性も否定できません。信頼できる専門店で相場観を掴み、適正価格の商品を選ぶとよいでしょう。
真珠には本物である本真珠と、人工的に作られたイミテーションパールが存在します。見た目が似ているため初心者には区別が難しいことも。しかし、いくつかのポイントを知っておけば、本物の真珠かどうかを見分けられます。
イミテーションパールは、プラスチックパール・ガラスパール・貝パール(シェルパール)・コットンパールなどがあります。多様化しているのは、本真珠の雰囲気をさまざまな価格帯・用途で楽しめるように工夫されてきた結果です。
イミテーションパールは、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。例えば、冠婚葬祭など改まった場で使うなら、遠目にも上質に見える貝パール、日常使いなら軽さとデザイン性からコットンパールがおすすめです。
イミテーションにもブランドやグレードが存在します。ただし、いくら高品質でも資産的価値を持たず、高額で売買されることは通常ありません。
見分ける方法として、ブラックライトを使った鑑別や穴の断面観察など、比較的簡単に試せて効果的な方法が知られています。
本真珠は真珠層が何層にも重なってできているもの。対して、偽物はガラスやプラスチックなど芯材の周りに塗装が施されているだけです。よって、紫外線を当てたときの蛍光反応や、穴を開けた部分の断面形状に差が現れます。
本物の真珠に紫外線ライトを当てると青白く光り蛍光を発するのに対し、イミテーションパールは光らないので一目瞭然です。
ネックレスの珠など糸を通す穴がある場合は、穴の周りを拡大して観察しましょう。本物なら真珠層が同心円状に見えるため断面が滑らかな輪状に整っています。イミテーションパールは塗装が剥げて段差があったり、芯との境目に凹凸が見られます。また、穴付近の塗膜がはがれかけていたら、安価なコーティングパールの可能性が高いでしょう。
確実に判別したい場合は、専門家に鑑定を依頼しましょう。「本物そっくりの偽物」を掴まされないためにも、由来がはっきりしない真珠に飛びつかない慎重さも大切です。
本真珠には、アコヤ真珠をはじめとしていくつかの種類があります。それぞれ産出される貝の種類や環境の違いから、サイズ・色・輝きなどが異なるため、ポイントを押さえておきましょう。ここでは、代表的な本真珠の種類として、アコヤ真珠・花珠真珠・淡水真珠・南洋白蝶真珠・タヒチ黒蝶真珠の5つを紹介します。
アコヤ真珠は、日本近海で養殖される世界的に有名な本真珠です。直径6〜8mm程度の丸い白い珠に強い光沢を持ち、日本では冠婚葬祭の定番ジュエリーとして親しまれています。
典型的な色はピンクホワイトと呼ばれる、うっすら桜色を帯びた白です。真円度が高くテリのよいアコヤは、室内照明の下でも顔周りを明るく照らすため、日本人の肌によく映えるとされています。サイズはフォーマル用には7.5mm前後が人気です。
「和珠(わじゅ)」という別称があり、海外でもJapanese Akoya Pearlとして高級品の代名詞になっています。市場で最も偽物が紛れ込みやすい点に注意しましょう。「国産アコヤ真珠」と称しつつも、実際は海外産だったり、劣化しやすい薄巻きの安価品が混在しているケースもあります。信頼のおける販売店か、鑑別書付きの商品を選ぶのがおすすめです。
花珠真珠(はなだましんじゅ)とは、アコヤ真珠の中でも最高品質と評価されたものに付けられる特別な呼称です。真珠業界の慣習的なランク名で、テリ・巻き・キズ・形・色のすべてが極めて優れたアコヤ真珠に対して使われます。
例えば、真珠科学研究所の花珠判定では、真珠層の厚みが0.4mm以上、非常に強い光沢があること、目立つ傷がないことなどが目安とされています。花珠真珠のネックレスには鑑別書が付き、市場では「花珠」の名が付くだけで高品質の証明として扱われることも特徴です。
花珠と一般品を並べて比べると、花珠は照明の下でオーロラのような虹彩光沢が現れ、珠の表面に映り込む光がくっきり鮮明です。
ただし、鑑別機関や時代によって、基準が若干異なる点に注意しましょう。花珠鑑別書が付いていても「思ったほどテリが強くない」という珠もありえます。
また、花珠であっても真珠である以上は経年劣化します。花珠級の美しさを保つには、使った後は真珠表面の汗や汚れを拭き取り、直射日光や乾燥を避けて保管してくださいね。
淡水真珠は川や湖など淡水に生息する貝から採れる本真珠です。おもに中国で大量に養殖されており、カラフルで形の多様な真珠が比較的リーズナブルな価格で流通しています。
母貝には池蝶貝など、淡水の二枚貝が使われます。一度に数十個もの真珠を体内で育てることができ、大量生産が可能です。大量生産と養殖コストの低さから、一手頃な価格で市場に供給されています。
淡水真珠には直径2mmほどの極小珠から、10mmを超える大粒のものまでさまざま。色も、生成りのホワイト以外に淡いピンク・オレンジ・ラベンダーなど天然のパステルカラーを持つ珠が産出するのが魅力です。可愛らしい印象で、若年層にも人気があります。
なお、淡水真珠は染色や加工が行われるケースが多め。市場に出回る黒や、鮮やかな青・緑の淡水真珠は、大半が人工的に着色加工されたものです。経年で色落ちする可能性があるので注意しましょう。
南洋白蝶真珠は、オーストラリアやインドネシアなど南洋の海に生息する白蝶貝から採れる大粒の本真珠のこと。直径10〜15mm前後のサイズが多く、シルバー・ホワイト・シャンパンゴールドなど上品な色調が特徴です。
白蝶貝は真珠を産む貝のなかでも最大級で、30cm近くあります。挿入する核も大きくでき長期間養殖しても貝が耐えられるため、育つ真珠も必然的に大粒になります。温暖で栄養豊富な海域でじっくり真珠層が形成されるため、サテンのような柔らかな光沢が生じる点も魅力です。
代表的な色には、大きく二系統あります。ひとつはシルバーリップと呼ばれる白〜シルバーホワイト系、もうひとつはゴールドリップと呼ばれる淡い黄金色〜深いゴールド系です。とくに濃いゴールドは希少で高価であるため、予算に応じて色を選ぶとよいでしょう。
ほかの真珠に比べて真珠層が厚いため、少々傷が付いてもテリを維持しやすく、長年美しい光沢を楽しめるという利点があります。
タヒチ黒蝶真珠は、南太平洋のタヒチを代表とする地域で養殖される黒蝶貝から産出する本真珠です。ブラックパールとも呼ばれ、神秘的な黒〜濃緑色の珠が特徴的。10mm前後の大粒のものが多く、存在感があります。
黒蝶貝は白蝶貝と同じく大型の貝ですが、殻の内側が黒みを帯びているため、生まれる真珠も自然に黒や濃いグレー系の色合いです。典型的なものはピーコックグリーンと呼ばれる濃い緑色の干渉色を帯びた黒で、最も価値が高いとされます。ほかにも、赤みを帯びたチェリー色や青みがかったロイヤルブルー系、グレー系やブロンズ系など、多彩なカラーバリエーションがあります。
黒蝶真珠は濃色ゆえに、テリの確認が難しい場合も。照明の映り込みを見るなどして、光沢があるかチェックしましょう。また、黒系の真珠は、肌の色によって似合う・似合わないが出やすいという一面があります。可能であれば実際に肌に当ててみて、顔映りを確認してくださいね。
本真珠は天然や養殖で貝から生まれた本物の真珠で、アコヤ真珠はその代表格です。違いがあるわけではなく、本真珠のなかの特定の種類としてアコヤ真珠が含まれるといえます。
一般的なアコヤ真珠は直径6〜8mm前後と小粒〜中粒。色はホワイト系で上品な光沢があるため、おもにフォーマルなシーンで用いられることが多いでしょう。
真珠にはほかにも、異なる素材で作られたイミテーションパールや、アコヤ貝以外の貝から生まれた種類などが存在します。それぞれの魅力や特徴を把握して、ライフスタイルに合わせたものを選びましょう。
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