熊本市東区の質屋 質乃蔵(しちのくら)の児玉です。
ティファニーブルーとは、世界中で愛されるジュエリーブランド「ティファニー」を象徴する、上品なブルーグリーンです。
洗練された美しい色合いを使用したいと考える人は多いもの。しかし、実はティファニーブルーは商標登録などがされています。使用や作成によって、法的な問題が発生する場合があるので注意が必要です。
本記事では、ティファニーブルーを作ってはいけないのか、どのような行動が問題となるのかを、わかりやすく解説します。似た色を使いたい場合も、トラブルを防ぐために注意点を詳しく確認しておきましょう。
目次
ティファニーブルーの色は、個人が作ってはいけないというわけではありません。ただし、作って使用する場面や目的によっては、法に抵触する可能性があります。
ティファニーブルーの色は、単なる水色ではありません。ティファニー社が独自にブランディングし、商標登録までしている大切なブランド資産のひとつです。
とくに、ティファニーブルーを模した色を使って「ティファニー風の演出」や「高級感のアピール」を行うと、意図せずして商標権や不正競争防止法に抵触するリスクがあります。
たとえば、結婚式の招待状やラッピングに適用する場合、自分たちの記念として楽しむぶんには問題ありません。しかし、SNSで「ティファニーブルー風」と名付けて発信する、あるいは商品として販売するのはタブーといえます。
ティファニーブルーを作ること自体は技術的に可能でも、ティファニーのイメージと結びつくような使い方は避けるべき。色という一見自由なものにも、ブランドの歴史や法的保護が関係してくる時代です。知らずに使ってしまわないよう、正しい理解と配慮が求められます。
ティファニーブルーは商標登録されているため、個人が勝手に使用すると法的に問題が生じます。
ティファニー社は、この独自のカラーをブランドの象徴として長年大切に扱っており、アメリカではこの「ティファニーブルー」が、正式にカラートレードマーク(色彩商標)として登録されています。一方で、日本国内でも、名称・ロゴなどと組み合わせて知的財産として保護されています。
そもそも色単体の商標登録は非常に難しいのですが、ティファニーのように長年一貫して使用され、消費者が色とブランドを強く結びつけて認識している場合、商標として認められることがあります。これはごく一部のブランドにのみ許される特別な保護です。
したがって、ティファニーブルーを個人の製品や広告に用いることは、たとえ悪意がなくても商標権の侵害に該当する可能性があります。知らずに使ってしまった場合でもトラブルになるおそれがあるため、「色だから自由に使える」とは考えない方が賢明です。
ティファニーブルーを無断で使用すると、商標権の侵害にあたり、損害賠償請求などの法的措置を受ける可能性があります。たとえ色だけを使ったつもりでも、消費者がティファニー製品と誤認する可能性があれば、トラブルとなるケースがあるためです。
実際に、ティファニー社は世界各国でブランドイメージの保護に厳しく対応しています。商標・ロゴ・カラーに関する権利を侵害する企業や商品に対して、販売停止命令や訴訟などの対応を取ってきた事例も。「個人だから問題ない」という考えは通用せず、ハンドメイド販売やSNS投稿など、商用利用でなくても注意が必要です。
特に注意したいのは、ティファニー風のパッケージやアイテムを作って販売すること。ティファニーの商品のように見える場合、意図に関係なく不正競争防止法にも触れる可能性があります。
ブランドカラーはその企業の顔です。勝手に使うことは、他人の名前や作品を無断で借りることと同じに当たるので、軽く考えずに正しい知識をもって扱いましょう。
ティファニーブルーに似た色も、使わないほうが無難です。
商標権は完全に同じ色だけに適用されるわけではなく、「消費者に誤認を与えるかどうか」が判断基準になるもの。類似色でも問題になる場合があります。「微妙に違うから大丈夫」と考えるのは、非常にリスクが高い行為です。
たとえば、自作のアクセサリーやハンドメイド雑貨、結婚式の装飾などで「ティファニーブルー風」として近い色を使い、ラッピングやタグでティファニーを想起させるような演出をすると、商標侵害とみなされる可能性があります。
一般人の私的使用で即座に訴えられるケースは少ないかもしれませんが、ネットショップやSNSなど人目に触れる場で広く発信すると、企業の目にも止まりやすくなります。とくに、ティファニーブルーという表現自体を商品名や広告に含めるのは避けるべきです。
誤解やトラブルを避けるためには、「ティファニー風」と名付けることや、近似色をブランドイメージと関連づけることは原則NGと覚えておきましょう。
ティファニーブルーは単なるおしゃれな青ではなく、ブランドの精神や歴史が詰まった特別な色です。創業時から受け継がれる「高貴さ」「洗練」「永遠の愛」といったイメージが込められており、世界中の人々に強い印象を与えてきました。
ティファニーブルーの起源は、19世紀のヴィクトリア朝時代に流行していた、ロビンズエッグブルーにあります。ロビンズエッグブルーとは、コマドリの卵の青という意味です。
ティファニー創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーは、この青色に特別感と希少性を見出し、1853年からカタログやギフトボックスに採用しました。それ以来、「ティファニーブルー」はブランドの象徴として定着していったといえます。
さらにこの色は、高級感や格式を自然と伝える力を持っています。色によって多くの人がティファニーを瞬時に連想するのは、長い歴史と戦略的なブランディングの賜物です。ブランドロイヤルティを守るため、ティファニー社はこの色を他社が模倣できないよう、商標登録まで行っています。
作ってはいけない理由として、ティファニーブルーが単なる色ではなく、ブランドの魂だからという背景があると認識しておくべきです。
ティファニーブルーは「緑がかった明るい水色」に分類される、特別なカラーです。青と緑の中間に位置する、柔らかくも印象的な色合いを持っています。
一般的には「ターコイズブルー」や「ロビンズエッグブルー」と表現されることが多いもの。ただ鮮やかなだけでなく、気品と清潔感、爽やかさを併せ持ちます。
印象的な色合いなので、ジュエリーボックスやギフトパッケージとしても非常に映え、見た人の記憶に強く残るでしょう。目にしただけで「これはティファニーの色だ」と感じさせる力があり、ブランドカラーとしての価値を高めているといえます。
ティファニーブルーは印刷物やディスプレイにおいても再現が難しく、デジタル表示でも微妙に印象が変わる繊細な色です。色の定義には明確な基準がありますが、実際に目で見る印象は環境や光の加減で異なります。
ティファニーブルーに近い色としてよく挙げられるのが、「ロビンズエッグブルー」や「ターコイズグリーン」といった系統のカラーです。
青みがかった緑、あるいは緑がかった明るい水色で、ティファニーブルーと非常に近い印象を与えるため、インテリアやファッション、Webデザインなどでも人気があります。
ただし、注意したいのは、似ている色であっても用途や組み合わせ方によっては、ティファニーとの関連を想起させてしまう恐れがあるという点です。たとえば、ジュエリーケースやギフトボックスに近い色を使い、ブランド感を演出するデザインにしてしまうと、無意識のうちにティファニーを連想させる構図となってしまいます。
色そのものだけでなく、その色が与える印象が問われるため、デザインや配色のバランスには配慮が求められます。「近いけれど別物」として扱うには、明度や彩度を調整したり、組み合わせる色に大きな差をつけましょう。
ティファニーブルーの美しさと印象的な存在感から、色を再現したいと思う人も多いでしょう。実際に再現できるのか、カラーコードや塗料の観点からチェックしましょう。
ティファニーブルーは色彩商標「1837 Blue」として登録されており、完全に同じ色を再現して使用することはできません。
色彩商標とは、特定の色そのものを商標として登録する制度のこと。法的に保護されるので、ティファニーブルーはティファニー社が独占的に使用できるよう、法的に保護されています。
なお、「1837 Blue」は、ティファニーの創業年にちなんで名付けられました。
ティファニーブルーの色は、16進数コード「#0ABAB5」や、RGB値「R:10、G:186、B:181」に設定すると、近い色を再現することが可能です。ただし、光の当たり方・素材・質感によって、色の見え方は大きく変化します。同じカラーコードを使用しても、ティファニーブルーになるわけではありません。
技術的に似た色を作成した場合に、ティファニーブルーと認識されるような文脈で使用すると、法的なリスクが生じる可能性がある点にも要注意。近い色を再現できても自由に使えるわけではないという点を、押さえておきましょう。
ティファニーブルーに近い色を塗料で再現したい場合は、ターコイズブルーとミントグリーンを1:1の割合で混ぜてみましょう。白を少量加えると、好みに合わせて明るさを調整できます。
手軽に再現したい場合は、ターコイズブルー・アクアブルー・パステルグリーン系統の塗料を探すと、ティファニーブルーに似た色味のものが見つかることも。DIYやインテリアの際に、家具のペイントや小物の装飾などで使われています。
ただし、上記はあくまで近い色であり、ティファニーが商標登録している本物のカラーとは異なります。ティファニー社は公式に塗料を販売していないため、公式のティファニーブルーを塗料で再現することは現実的には不可能です。
カスタム調合で類似色を作成できても、ティファニーに関連したものとして扱うことは絶対にやめましょう。ブランドの尊重と法的配慮を忘れずに、クリエイティブを楽しむことが大切です。
2021年、ティファニーは長年象徴とされてきた「ティファニーブルー」を封印し、代わりに鮮やかなイエローを期間限定のブランドカラーとして採用しました。
ブランドの歴史のなかで異例ともいえるキャンペーンは、話題を集め、ファッション業界やSNSでも大きな注目を浴びました。
このカラーチェンジは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の傘下となったティファニーが、新たなブランド戦略として打ち出したもの。「古い常識を打ち破る」「若い世代へのアピール」といったメッセージが込められています。パリやロサンゼルスでは、実際にイエローで装飾されたポップアップストアや広告が展開されました。
しかし、キャンペーンはあくまでも一時的な挑戦です。最終的にはブルーへ回帰し、ブランドの伝統と革新の両立を演出する形となりました。
期間限定のイベントとはいえ「ティファニーブルーがいかに特別な色か」を世界に印象づけた、象徴的な出来事といえます。ティファニーブルーはただの色ではなく、ブランドのアイデンティティそのものであると、多くの人が認識したでしょう。
ティファニーブルーは作ってはいけないというわけではありません。ティファニーブルーに似た色は市販の塗料やWebカラーにも存在します。しかし、 知らずにブランドと誤認されるような表現を使ってしまわないよう、常に意識しておきましょう。
ティファニーブルーは、ティファニー社が独自に商標登録している色。長年のブランド戦略によって人々に深く印象づけられてきました。ティファニーブルーを用いてティファニーの雰囲気を模倣すると、意図せず法的なリスクを生む可能性があります。たとえ私的な使用であっても、SNSや販売活動などで広く公開されると、企業の目に留まるケースもあるでしょう。
なお、自宅の装飾や非公開の作品など、私的に楽しむ範囲であれば、似た色を取り入れても問題になることはほとんどありません。ティファニーブルーにインスパイアされた創作を行うなら、ブランドカラーを尊重しながら、正しい知識とマナーのもとで上手に活用してくださいね。
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