赤ガーネット8種類を徹底解説!宝石査定の知識

投稿日:2013年6月10日 更新日:2020年06月18日

赤ガーネットの種類

 

赤ガーネット

最も一般的な赤いガーネットは、ルビーの赤さと比べると暗い赤色で、暗赤色と表現されるアルマンディンガーネットが多いが最近ロードライトガーネットの名前を耳にすることが増えてきたと思います。

がその二種類のガーネットはほぼ姉妹と考えてよい関係です。

①アルマンディンガーネット:鉄とアルミニウムを含むガーネットでその鉄分により赤色を呈する。

②ロードライトガーネット:①と③の中間タイプでアルマンディンガーネットより明るい赤色で紫味を帯びることがある。

物理特性もアルマンディンガーネットとパイロープの中間に位置する数値となる。つまり屈折率や比重値で鑑別される。

③パイロープガーネット:マグネシウムとアルミニウムを含むガーネットでその赤の原因は含まれるクロムによるとされるが残念ながらまだその真っ赤なガーネットを私は見たことが無く市場性は薄いと考えています。

参考までこの三種のガーネットの屈折率の範囲を全宝協のデーターから書いておきます。

①アルマンディンガーネットR、I、1.78~1.82

②ロードライトガーネットR、I、174~1.78

③パイロープガーネットR、I、173~1.74

* 但し1.78 以上はオーバースケールで見難いとおもいます。

緑ガーネット

最近ファッションリング等に鮮やかなグリーンのガーネットが時折みかけられる。

④グリーングロッシュラガーネット:カルシウムとアルミニウムを含むガーネットで以前はクロム分による鮮やかなグリーンといわれていたがその後らバナジウムによる着色としてバナディアンガーネットともよばれる。

このガーネットは、その産地であるツアボ国立公園の名からツアボライトと呼ばれたこともある。

⑤デマントイドガーネット:鉱物学的には、カルシウムと鉄分を含むアンドラダイトガーネットの変種のひとつで、酸化クロムを含み美しく緑色に輝く石をデマントイドガーネットと

呼び旧ソ連のウラル山脈で良石が産出したためウラルエメラルドと言われたこともある。

この石は1.89 という高い屈折率と、ダイヤモンドより高い分散率の為美しく輝く。稀な石と言える。この石の特徴的なインクルージョンとして馬の尻尾状の形態をとるビソーライトインクルージョンがあります。

黄ガーネット

⑥スペサルティンガーネット:マンガンとアルミニウムを含むガーネットで、黄色からややオレンジ色まで色合いがあるそうです。

以前の当市場に出品があったときに鑑別機関に問い合わせた時には最近時折、鑑別依頼があるとききましたのでこの石名は記憶していたほうがいいと考えます。

R.I.1.79~1.81

⑦ヘソナイトガーネット:カルシウムとアルミニウムから成るグロッシュラーガーネットの変種で橙褐色の石。

R.I.1.74~1.76 で特徴的インクルージョンに糖蜜状組織がある。

この石はあまり一般的でないと考えるが色々な本には記述があるので記憶の隅のほうに。

⑧ゴールデングロッシュラーガーネット:グロッシュラーガーネットはカルシウムとアルミニウムを含むガーネットで、前述のグリーンから黄色等(イエローグロッシュラーガーネット) 種々の色がありますがその高い屈折率によってよく輝く魅力的な石がある。但し、まだこの色のカット石には出会っていない。

R.I.1.74~1.76

 

(私の宝石の師匠:潤二師匠)