店頭に持ってきたお客様の宝石で、何の石ですか?
という質問を受けました。
表面から見ると、紫味を帯びたブルーですので、 まずタンザナイトかなと思いましたが、石をかたむけると無色に見えるほど色抜けしました。
帯紫青色の石で多色性顕著ときたら、アイオライトがすぐに思いつきます。
記憶をたどると、ウォーターサファイアの別名を持つほど淡い青色の宝石で、三色性(強)帯紫青色:淡青色:淡灰黄色です。
近山先生の本に、この淡灰黄色が無色に近いと書いてあります。
これと関連してブルーサファイアを横から見て色抜けするものがある理由を聞いた記憶があります。
ブルーサファイアの色はFeとTiの含有によるコロイド着色と教わっていましたが、現在は、原子の配置からくる「格子欠陥」による色の選択吸収でしたかね?
古い知識ですので、ぼろが出ないうちに屈折率を測って確認しましょう。
鉱物名はコーディエライト
化学組成:マグネシウム、鉄、アルミニウム珪酸塩
屈折率RI:1.53~1.55 複屈折量DR:0.008~0.012
屈折率がアメシストに近似するので注意と石別カード
に書いていました。
複屈折量の変化を良く見なさい!正号性と負号性の違い!!
アメシストはRI:1.54でDR:+0.009で、アイオライトはDR:-.009でしょうと怒られた記憶がよみがえってきました。
理論より実践!多色性をチェックすると見分けは容易でしょう。
アメシストは二色性(弱)です。二色鏡ですぐ分るはず!
私の宝石の師匠:潤二師匠より
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